有期教職員の無期転換権を確保する行動の一環として、東北非正規教職員組合は「東北地方 国立大学・高専無期転換キャラバン」を開始しました。東北地方の国立大学7法人、国立高専6校、各県労働局6局を順次訪問し要請する予定です。
 第1ラウンドの7月20~21日は、組合員と事務局員各1名が秋田県と青森県を訪れました。ご対応くださいました皆さんに御礼申し上げます。要請先および対応いただいた担当者は下記のとおりです。
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7月20日
①秋田大学 人事課長(7月24日 電話で補足対応)
②秋田労働局 雇用環境・均等室 室長補佐、指導係長
③秋田工業高等専門学校 人事係長ほか1名
7月21日
④弘前大学 人事課長補佐
⑤青森労働局 雇用環境・均等室 均等推進指導官(7月24日 電話で室長補佐が補足対応)
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(1)
 秋田大学では、 有期教職員の就業規則から5年の雇用更新上限を既に「なくした」とのこと。(HPの情報は近く更新する予定だと補足対応で説明されました。)
 弘前大学では、就業規則に5年の雇用更新上限を設けたままで、無期転換が制限されているのが現状だとのことでした。

 私たちからは「せめて安心して働き続けたいという有期教職員にとって、理不尽に法定の無期転換が阻止されるのは受け入れられない。大学側にとっても、無期転換は人材確保や育成の観点からも合理的であるし、不確定な将来の財政不安を理由に無期転換を制限するのは社会的にも受け入れられないだろう」などと両大学に率直に要請し、文書による正式な回答も求めました。

(2)
 秋田高専では、授業が1年のうち半年で組まれている非常勤講師についても、雇用は通年でカウントしているとの説明を受けました。事実であれば、授業がなくても翌年度の準備に励んでいる半年間は「クーリング」に該当しないことになり、非常勤講師が通算5年を超えて無期転換できる可能性が大きく広がる朗報となります。やはり文書による正式な回答を求めました。

(3)
 両県の労働局では、大学以外の多くの使用者が人材確保等のため無期転換に積極的であるとの情報をいただきました。

 将来の雇用経費の不安などから無期転換を嫌う大学については、無期転換と、将来の不確定な財政難への対応とは分けて考えるべきだ、などと意見交換。人材確保に加え、新人教育のコスト削減になることなども併せ含め、大学には丁寧な啓発指導をしてほしい、と要請しました。
 各大学の有期教職員の就業規則や、文部科学省による各大学の無期転換ルール対応状況の調査結果一覧などの資料も提供しました。

(要請先ごとの詳報は後日アップする予定です。)


by tohokuhiseiki | 2017-07-26 13:05 | お知らせ | Comments(0)

東北から「雇用の安定」を拡げよう!
東北地方国立大学・高専無期転換キャラバン
この夏、実施します!
フェイスブック、ブログの情報にご注目下さい。

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by tohokuhiseiki | 2017-07-19 17:14 | お知らせ | Comments(0)

(1) 魅力のない大学からは誰もいなくなる…

「 いつ解雇されるか分からないような魅力のない職場に、優秀な人材が集まるとは思えない。大学からは誰もいなくなってしまう。」

(里見進・東北大学総長インタビュー、中央公論2017年2月号62頁)

この発言は主として若手研究者を念頭に置いているようですが、実際には「いつ雇い止めされるか分からない」すべての有期教職員にも当てはまる話です。
研究にも教育にも、付属の研究所・病院・図書館・植物園などにも、同じことが当てはまります。
ひいては、学生さんや院生さん、患者さんと御家族、公開施設を訪れる一般市民のみなさん、これらの方々の期待にも応えられず、大学としての責任も果たせなくなります。

(2)正規からも非正規からも切実な声が…

研究には、何年も「修行」して「職人技」を身に付けた技術者のサポートがあってこそ成り立つものもあります。
あるいは「3年のプロジェクトが終わり、幸い、関連テーマの3年プロジェクトも決まったが、足掛け6年の仕上げの年にスタッフが雇い止めされては、プロジェクトが仕上げられない」という悲痛な声も聞こえてきます。

東北非正規教職員組合は、こういう声を耳にし、それをビラにして「大学全体で声をあげよう」と呼び掛けようとしたことがあります。
ところが、その途端、それまで「おかまいなし」だったビラ配布を止めてほしいと大学は申し入れてきました。

東北大学職員組合も「総長あて要望書」を1200人近くの教職員から集約しました。そこでは、非正規の人々が勇気を振り絞り、正規の方々も自らの問題として、現場の実情を訴え、雇用の安定を要望したそうです。
ところが、団体交渉の席では「1200名と言っても、匿名のものもあり、実態はよくわからない」などと、どこかで聞いたことのあるような「逃げ」の発言をする理事がいた、とのことです。

里見さん、あなたの部下たちは、なぜ、現場の声に耳を傾けようとせず、口を塞ごうとするのでしょうか?
いったい誰の何を忖度し、斟酌しようとしているのでしょうか?

(3) 里見さん、無期転換ですよ!

「運営費交付金の削減の厳しさゆえに、人件費に手を付けざるをえないという台所事情」

(里見総長・前出同頁)

たしかに、運営費交付金の削減は大問題です。今年度は微増となりましたが、全国総計で0.2%ほどに過ぎません。
この微増でさえ、里見さんが国大協の会長として東奔西走したことの貢献もあると思います。それは正当に評価されるべきです。

けれども、里見総長には「今すぐできるし、やらなければいけないこと」も残っています。それは、

有期雇用を5年も反復されてきた教職員は、希望者全員を、無期転換させること、です。

これは、法定の当然の権利です。
しかも、追加の人件費もかかりません。
これをやらないことには、世間は納得しないでしょう。

(4)まずは自分にできること、すべきことを!

去年ノーベル賞を受賞された大隅良典さんは、日本の科学研究の将来を憂い、賞金1億円弱をもとに「奨学金や研究費を少なくとも20~30年は提供する仕組みをつくる考え」を明らかにし(朝日新聞2016.10.5)、実際に、東工大で基金が発足しています。
1億円を仮に25で割れば年400万円で、人件費なら2人分とかです。これだけでは「過去の遺産」でノーベル賞がとれている「日本の科学」は救えないでしょう。
しかし、賞金をもとに基金を立ち上げ、民間からも寄付を募り、科学研究の未来に貢献しようとする「こころざし」は称賛されることでしょう。

まずは自分ができること、すべきことを行い、そうして社会にも訴えるべきは訴える。それでこそ世間の納得も得られるというものでしょう。

(5) まずは無理なく「魅力」アップしましょう!

私たちが団体交渉で「なぜ3年上限を5年に伸ばしたのですか」と聞いたら、人事企画部長は「労働契約法が改正されたから」と回答しました。
これは支離滅裂にも思えます。しかし「できるだけ長く働き続けてほしい」のがホンネならば、自然な話です。
改正労働契約法の趣旨は「雇用の安定」です。無期転換を受け入れて「長く働ける」ようにすればよいのです。

他方で、新たに「限定正職員」制度を導入しようとしている人たちがいます。これは、不自然な話です。
法定無期転換に「不当な条件」をつけるのは違法です。そもそも応募する「資格」が奪われている人がいるとか、「部局等の推薦」や「業績評価」の公正性や透明性が担保されないとか、「不確定期限で解雇される」人ができるとか、疑問だらけです。
どうしても「限定正職員」制度を導入したいのならば、まずは法定無期転換を受け入れてから、じっくりと誠実に労使協議を行うべきです。

(6)学問の府にふさわしい良識と知恵を!

無期転換は、万能薬ではありません。しかし、無理なく「魅力」アップできる方法の1つには違いありません。
何よりも、法定の制度ですから、それを主発点とし、「雇用の安定」を当然の前提とすべきです。

その上で、無期転換後の処遇や将来の雇用経費についても、知恵を尽くし、社会に模範を示すのが「学問の府」にふさわしい姿でしょう。
法の趣旨を潜脱するために悪知恵を絞るようでは、良識を疑われ、社会からも厳しい目を向けられるでしょう。

教職員が大切にされる職場であってこそ、教職員も仕事を大切にする。それこそが、大学にも、国民にも、世界にも、利益になり貢献にもなる。それが、私たちの確信です。

里見さん、あなたの英断を、東北大学の教職員も、国民も、世界中の心ある人々も、待ち望んでいますよ。


by tohokuhiseiki | 2017-07-07 02:05 | 東北大学