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無期転換ルールの回避は許されない

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 無期転換についての1月19日の東北大学の回答は、東北大学の准職員や時間雇用職員、そして全国の心ある皆さんの期待を裏切る大変残念なものでした。(東北非正規教職員組合には書面で、東北大学職員組合には団体交渉での席上で、同日に回答がありました。 )
 労働契約法第18条の無期転換申込権を不当に制限する就業規則の5年の更新上限はそのままで、「限定正職員制度」など新たな選抜制度が提案されました。

 東北非正規教職員組合は1月19日と20日、宮城労働局雇用環境・均等室に赴き、監理官や担当職員に東北大学に関する情報を提供しました。提供した情報は、団体交渉での大学側の発言(下記参照)、今後「不更新条項」が契約書(労働条件通知書兼同意書)に盛り込まれて雇い止めへの同意が強制されるおそれがあること、等々です。
 そして「 無期転換ルールを回避する目的」の雇い止め事案等を把握した場合に備えて2016年9月28日の厚労省が都道府県労働局長に「啓発指導」を通知したことをふまえ、東北大学の場合に何ができるか見解を質しました。
 その後の電話連絡によると宮城労働局は、東北大学の事案を1月27日に厚労省本省に報告したとのことです。

 「限定正職員」などの法定外の無期転換は、法定の無期転換の代替にはなりませんし、法定の無期転換ルールを回避する目的ならば許されないと言うべきです。
 私たちは今後も、厚労省の見解や労働局の対応にも注目しながら、法定の無期転換を希望者全員に確保するために奮闘します。

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 以下は、東北大学職員組合が公開している団体交渉記録から「無期転換ルールを回避する目的」に関連すると思われる部分を抜粋したものです。(日付は団体交渉の実施日、ページ数は東北大学職員組合のホームページ掲載の団体交渉記録のページ数。)

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2013年6月17日

4ページ

I理事
 基本的には、この人は有期雇用でお願いしたい、この人は無期雇用でお願いしたい、ということは分けて考えなければならない。有期雇用は更新して5年を超えないようにし、ずっといてほしいならば無期雇用にしてもらうのがよい。

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2014年2月20日
(この日の団体交渉のための組合側事前説明と理事回答)

4ページ

組合側
 無期転換に伴い、「通算5年(又は10年)を超える有期労働契約の更新は、各部局等に財源等の面で大きな負担と責任が伴うものであるので、行わないことを原則とする。」といったような抑制的な対応をせず、本部の財政措置によって無期転換を支えるべきである。(後略)

理事回答
 本部の財政措置によって無期転換を支えるべきだとのことだが、今回、通算5年を超える有期労働契約の更新になると、無期労働契約への転換という展開が予想される。無期転換された人の安定的な雇用を維持していくためには、その負担主体が部局だろうと本部だろうと、財源の確保には責任をもたなければいけない。そういった観点で当該有期労働契約の更新について総合的に判断した結果、行わないことを原則とした。(後略)

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2016年3月17日

4ページ

A理事
 無期転換をする場合、再雇用までの人件費を確保しないと困る。雇用された人も部局も困る。

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2016年5月27日

2~3ページ

O理事
 法の趣旨は、有期の人が、継続して更新され、それが5年を超えて、さらに雇用の期待をもつことに対して、それを安定化させるということだ。

組合委員長
 それならば希望者全員を。

O理事
 5年を超えるということになるので、そういうことはできない。

(中略)

O理事
 無期になれば、さらに待遇改善をせざるを得ない。将来の財源確保はわからない。

(中略)

8ページ

O理事
 非常勤で雇用された人に無期転換されたら、長く雇用を保障しなければならない。それを考えている。(後略)

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2016年9月23日

7ページ

O理事
 (前略)外部資金が入ってきて仕事が増え、それに見合った雇用を生んでいる。しかしそれが無期転換になり、定年まで雇用が保障されるということになると、そういうことを今の規模で維持できるとは保障できない。

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2017年1月19日の団体交渉でも関連する議論が行われています。
http://www.tohokudai-kumiai.org/docs17/dkh170119.pdf


by tohokuhiseiki | 2017-02-02 09:31 | 東北大学 | Comments(0)

2017年01月23日 月曜日
 3000人を超す東北大の大量雇い止め問題で、大学当局が職員組合に、2018年4月から非正規職員の一部に期限の定めなく雇用する「限定正職員」制度を導入する新提案を示したことが22日、分かった。
 当局によると、限定正職員は業務や勤務時間に制限はあるが、雇用は無期限になる。月額制給与、昇給など非正規雇用に比べ待遇改善が図られる。本人の申請に基づき業績や試験を踏まえて採用する方針。採用規模は明らかにしていない。
 東北大の佐藤誠人事企画部長は「国の運営交付金が減り続け、希望者全員を期限の定めなく雇用するのは難しい。優秀な人に残ってもらう制度を考えた」と説明する。
 新提案に職員組合は「非正規職員の雇用が5年で終わることが前提で、限定正職員に採用される保証が全くない」と反発、交渉を継続する考えだ。
 13年4月施行の改正労働契約法は、非正規労働者の有期契約が通算5年を越えた場合、本人が希望すれば期限の定めなく働き続けられる契約に転換できるとしている。
 東北大は14年4月に行った非正規職員の就業規則の改正で、雇用期間を最長5年に改めた上で、13年4月にさかのぼって実施するとした。このため非正規職員の3243人(15年10月時点)が18年4月以降、順次雇い止めとなる可能性が浮上している。


by tohokuhiseiki | 2017-02-01 06:44 | 東北大学 | Comments(0)

※ご賛同が200人を超えました。
 引き続き有識者、弁護士のご賛同を募ります。ご協力よろしくお願いいたします。

(1月13日17:00現在、第八次集約分、以下205氏 敬称略 50音順 ☆は呼びかけ人)

 相田利雄(法政大学名誉教授)
 青山愛香(獨協大学外国語学部准教授)
 赤塚朋子(宇都宮大学)
 赤堀正成(労働問題研究者)
 浅倉むつ子(早稲田大学法学学術院教授)
 浅野富美枝(宮城学院女子大学特任教授)
 芦谷竜矢(山形大学教授)
 姉歯暁(駒澤大学教授)
 荒井智行(東京福祉大学特任講師)
 荒井竜一(東京芸術大学教職員組合書記長)
 荒川隆(高度情報科学技術研究機構主任研究員)
 新谷眞人(日本大学法学部教授)
 新屋敷健(関西圏大学非常勤講師組合委員長・映画研究)
 有永明人(山形大学名誉教授)
 粟野宏(日本科学者会議常任幹事・山形支部事務局長)
 飯田清志(仙台高専総合科学系教授)
 飯田幸光(弁護士・東京弁護士会所属)
 五十嵐仁(法政大学名誉教授)
 池田道正(山形大学名誉教授)
 生駒巌(弁護士)
 石井まこと(大分大学経済学部教授)
 石飛猛(美作大学生活科学部教授)
 石原俊時(東京大学教員)
 和泉貴士(弁護士・八王子合同法律事務所)
 磯野博(日本医療総合研究所協力研究員)
 池内了(名古屋大学名誉教授)
 伊藤大一(大阪経済学経済学部准教授)
☆伊藤博義(宮城教育大学名誉教授)
 稲葉正美(特定社会保険労務士・新潟県社会保険労務士会所属)
 井上耕史(弁護士・民主法律協会事務局長)
 井口克郎(神戸大学准教授)
 岩佐卓也(神戸大学准教授)
 上田絵理(弁護士)
 上西充子(法政大学キャリアデザイン学部教授)
 上野千鶴子(東京大学名誉教授)
 宇佐美公生(岩手大学教授)
 碓井敏正(京都橘大学名誉教授・大学ユニオン副委員長)
 埋橋孝文(同志社大学社会学部教授)
 内田一秀(札幌大学教員)
 江本純子(県立広島大学保健福祉学部教員)
 大賀浩一(弁護士)
 大沢真知子(日本女子大学教授)
 大﨑潤一(弁護士)
 大重光太郎(獨協大学外国語学部教授)
 大杉由香(大東文化大学教授)
 太田直道(宮城教育大学名誉教授)
 大竹寿幸(弁護士・東京法律事務所)
 大西広(慶應義塾大学教授)
 大野英士(早稲田ユニオン代表・フランス文学)
☆大村泉(東北大学名誉教授)
 大屋定晴(北海学園大学教授)
 大和田敢太(滋賀大学名誉教授)
 小笠原義秀(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)
 岡田元浩(甲南大学教員)
 岡眞人(横浜市立大学名誉教授)
 岡本祥浩(中京大学総合政策学部教授)
 岡山茂(早稲田大学政治経済学術院教授)
 小川栄二(立命館大学産業社会学部教授)
 荻原克男(北海学園大学教授)
 奥貫妃文(相模女子大学教員)
 小澤裕香(金沢大学経済学経営学系)
 小野塚知二(東京大学教員)
 垣内国光(明星大学教授)
 梶原昌五(岩手大学准教授)
 加藤多恵子(関西単一労働組合大阪大学分会分会長)
 加藤丈晴(弁護士)
 加藤哲郎(早稲田大学大学院客員教授・一橋大学名誉教授)
 神沼公三郎(北海道大学名誉教授)
 上掛利博(京都府立大学公共政策学部教授)
 亀田成春(弁護士)
 亀山純生(東京農工大学名誉教授)
 狩野節子(弁護士)
 川村雅則(北海学園大学教授)
 菊地夏野(名古屋市立大学教員)
 菊地洋(岩手大学教育学部准教授)
 北明美(福井県立大学教授)
 北村洋基(慶應義塾大学名誉教授・元福島大学教授)
 京谷栄二(長野大学社会福祉学部教授)
 久保木亮介(弁護士・東京自治労連弁護団事務局長)
 栗原康(東北芸術工科大学非常勤講師)
 呉学殊(労働政策研究・研修機構主任研究員)
 伍賀一道(金沢大学名誉教授)
 小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 光本滋(北海道大学准教授)
 小森貞男(岩手大学教授)
 小山良太(福島大学教授)
 今野順夫(福島大学名誉教授)
 斉藤悦則(元鹿児島県立短大教授)
 斉藤吉広(稚内北星学園大学教授)
 齋藤耕(弁護士)
 酒井健雄(弁護士)
 佐々木良博(弁護士)
 佐藤飛鳥(東北工業大学准教授・同大学教職員組合執行委員長)
 佐藤卓利(立命館大学教授)
 佐藤眞(岩手大学准教授)
 佐藤由紀男(岩手大学教授)
 佐藤由紀子(弁護士)
 澤田ゆかり(東京外国語大学総合国際学研究院・教授)
 重松公司(岩手大学教授)
 重本直利(龍谷大学教授)
 志田なや子(弁護士・まちださがみ総合法律事務所)
 芝田英昭(立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科教授)
 島袋隆志(沖縄大学准教授)
 島崎隆(一橋大学名誉教授)
 白井聡(京都精華大学専任講師)
 白水浩信(北海道大学准教授)
 新城知子(大学等非常勤講師ユニオン沖縄委員長・英語教育学)
 新宅正雄(弁護士)
 神保大地(弁護士)
 菅本晶夫(お茶の水女子大学名誉教授)
 菅野文夫(岩手大学教授)
 菅原真(南山大学教授)
 鈴木信行(静岡大学教授)
 須藤正樹(弁護士・昭和43年東北大法卒)
 鷲見賢一郎(弁護士・東北大学OB)
 青龍美和子(弁護士・メトロコマース事件弁護団員)
 世取山洋介(新潟大学准教授)
☆高木紘一(山形大学名誉教授)
 髙崎暢(弁護士) 
 高橋孝悦(山形大学教授)
 高橋まゆこ(弁護士)
 高橋祐吉(専修大学教員)
 高橋禮二郎(元東北大学教授)
 高橋若木(大正大学任期制専任講師)
 武井隆明(岩手大学教授)
 竹内平(弁護士・名古屋南部法律事務所)
 竹信三恵子(和光大学教授・ジャーナリスト)
 田中綾(北海学園大学教授)
 田沼朗(身延山大学教授)
 多羅尾光徳(東京農工大学農学部教員)
 辻智子(北海道大学准教授)
 土屋直人(岩手大学准教授)
 土谷信高(岩手大学教授)
 鶴見聡志(弁護士)
 出口善隆(岩手大学准教授)
 戸田清(長崎大学教員)
 戸田聡(北海道大学准教授)
 戸室健作(山形大学准教授)
 鳥飼康二(弁護士)
 鳥山淳(沖縄国際大学教授)
 長杉直人(東北非正規教職員組合執行委員長)
☆中村和雄(弁護士・東北大学OB)
 中川勝之(弁護士・東京法律事務所)
 長堀祐造(慶應義塾大学教授)
 行方久夫(文教大学経営学部教授・元山形大学教授)
 成定洋子(沖縄大学教員)
 西尾弘美(弁護士)
 西谷敏(大阪市立大学名誉教授)
 仁科辰夫(山形大学大学院理工学研究科教授)
 野村正實(国士舘大学教授・東北大学名誉教授)
 橋本直樹(鹿児島大学教授)
 長谷川悠美(弁護士・JALマタハラ事件弁護団員)
 畑地雅之(弁護士)
 林治(弁護士)
 平井敏幸(北海学園大学非常勤講師)
 平澤卓人(弁護士)
 平山貴司(岩手大学講師)
 藤田稔(山形大学教授)
 逸見龍生(新潟大学教授)
 朴木佳緒留(神戸大学名誉教授)
 本田宏(北海学園大学教授)
 松尾邦之(香川大学教授)
 松丸和夫(中央大学経済学部教授)
 松村比奈子(首都圏大学非常勤講師組合・憲法学)
 松本恵美子(弁護士)
 松本邦彦(山形大学人文学部教員)
 マニュエル・ヤン(早稲田大学教員)
 間宮啓壬(身延山大学教授)
 三浦佑哉(弁護士・代々木総合法律事務所)
 水谷英夫(弁護士)
 水谷陽子(弁護士・代々木総合法律事務所)
 水野邦彦(北海学園大学教授)
 宮入隆(北海学園大学)
 麥倉哲(岩手大学教授)
 村上祐(岩手大学名誉教授)
 村田浩治(非正規労働者の権利実現全国会議事務局長)
 安原陽平(沖縄国際大学講師)
 山口博教(北星学園大学教員)
 山下孝明(福島大学講師)
 山田いずみ(弁護士)
 山田忠行(弁護士・東北大学OB)
 山本いづみ(大学教員)
 山本完自(弁護士)
 横地明美(東北大法学部出身・日本労働弁護団所属)
 吉田万三(元足立区長)
 萬井隆令(龍谷大学名誉教授)
☆脇田滋(龍谷大学法学部教授)
 脇山拓(弁護士)
 和田肇(名古屋大学教授)
 渡辺修身(山形大学地域教育文化学部准教授)
 渡辺達生(弁護士)
 渡辺照子(弁護士)
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〈アピール文〉
 今年4月、東北大学では、非正規教職員のうち3200人以上に対して、2018年春から順次雇止めにすることが通告され、職場には不安が広まっています。
 2012年の労働契約法改正により、2013年4月1日以降の雇用期間が通算で5年を超える有期雇用労働者は、2018年4月1日以降、本人の申し込みによって無期雇用に転換できるようになりました。労契法の趣旨は「雇用の安定」であり、当時の小宮山厚労相は「今回の無期転換ルールの趣旨からしても、5年のところで雇い止めが起きてしまうと、この狙いとは全く違う」(2012年7月25日衆院厚労委)と答弁しています。東北大の雇い止め通告は、まさに改正法の趣旨と「全く違う」行為です。
 東北大の非正規教職員は、以前は3年の雇用上限が原則でしたが、例外も多く、上限は形骸化していました。しかし、大学は、一方的に就業規則を変更し、5年上限による一律の雇止めを通告してきました。しかも、就業規則は2014年4月1日施行であるのに、5年上限は2013年4月1日に遡って起算するとしています。この就業規則の変更には、パート労働法第7条にしたがって、短時間労働者の過半数代表の意見を聴く努力義務もあります。大学は1年任期の過半数代表者を2013年3月に選出したとしていますが、当時は雇用上限の変更問題は明らかではなく、この代表選出に非正規教職員の意見は反映されていません。
 東北大の財政事情は、無期転換の大量阻止を正当化するようなものではありません。無期転換後も労働条件は従前のままでよいので、追加の財源は不要です。
 大学は、例外として、正規職員と「同等、あるいは同等以上の成果を出すと見込まれる者」を部局が「無期転換候補者」に推薦できるとしています。しかし、法定の無期転換には「推薦」も「評価」も「選考」も不要です。不当な条件をつけるのは違法です。
 東北大学の公式HPは「被災地域の中心にある総合大学として、復興に全力を傾けていく歴史的使命があります」としますが、雇止め通告は雇用不安を招き、復興を妨げています。
 東北大学は、国大協の会長を出している代表的な大学でもあり、東北地方だけでなく、全国に大きな影響を与えます。私たちは、東北大学が労働契約法の趣旨を尊重し、3200人に対する雇い止め通告を撤回し、希望者全員に無期転換を認めるように求めます。
by tohokuhiseiki | 2017-01-14 07:31 | 東北大学 | Comments(0)

12月「無期転換を避ける目的の雇い止めは法の趣旨に照らして望ましくない」「把握してしっかり啓発指導する」等と改めて通知

#Stop3200人雇い止め #東北大 #雇い止め見直し
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 有期労働者の無期転換申込権確保に向けて、国が動きを強めています。

 有期教職員の雇用に更新上限を設け、法定無期転換の直前で大量雇い止めしようとすることが各大学などで問題となる中、厚生労働省は「無期転換を避けることを目的として無期転換申込権が発生する前に雇い止めをすることは労働契約法の趣旨に照らして望ましいとは言えない」、「無期転換ルールを免れる目的で雇い止めをしているような事案を把握した場合には、都道府県労働局におきましてしっかりと啓発指導をしていきたい」などと国会で答弁しており、都道府県労働局にも関連した指示をしています。さらに文部科学省は各大学に、以上のことを踏まえた「年度内」の対応を繰り返し求めています。

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 事態は以下のように進行してきました。

2013年

2月21日

 田村智子参議院議員(共産党)は参議院予算委員会で、大阪大学が無期転換申込権を発生させないために就業規則で上限を5年に変更したことなどを紹介して国の対応を質しました。
 下村博文文部科学大臣が「教育研究上、必要性があり能力を有する人が一律に契約を終了させられることにならないよう、適切な取り扱いを促していく」と答弁するなど、国が大学などの更新上限・大量雇い止め問題に対応する流れが作られました。

2016年

4月26日

 東北非正規教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合は東北大学に対して団体交渉を申し入れ、有期労働者3200人雇い止め撤回、希望する人全員無期転換の趣旨の要求をしました。6月には1回目の団体交渉が行われ、大学側の重要な言質がいくつか確認されました。

 東北大学職員組合も、希望する人全員の無期転換の要求を掲げて運動、交渉を進めていました。

7月 東北大学に対し3200人雇い止め撤回などを求める有識者・弁護士のアピールが発表され、賛同を募る運動が開始されました。
 以上についてマスコミも大きく取り上げ、インターネットでも情報が拡散されました。

9月21日

 希望する人全員の無期転換などを求めて、東北非正規教職員組合、東北大学職員組合、宮城県労働組合総連合、首都圏大学非常勤講師組合の四者連名の共同声明が発表されました。

9月28日

 厚生労働省は大臣官房地方課長、労働基準局長、職業安定局長の三者連名で、都道府県労働局長に対し「労働契約法の「無期転換ルール」の周知について」と題した文書を発しました。この中で厚労省は、「無期転換ルールの適用を免れる目的等で同ルール適用以前に雇止めが行われる等の情報」を「把握した場合」には、「積極的に啓発指導」するよう指示しました。特に「社会的に注目されるような事案について啓発指導を実施した場合」は厚労省本省に随時報告することなども指示しています。(添付資料1~2枚目)
 同じ日に文部科学省も、「無期転換ルールへの対応の状況に係る調査にご協力いただき、法令の趣旨を踏まえ、適切にご対応いただきたい旨」を各大学に連絡した、としています。(添付資料5枚目「記1」に記載あり)

9月29日

 東北非正規教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合は、東北大学との2回目の団体交渉に臨みましたが、大学側の交渉要員としてこの回から代理人弁護士が参加。組合側が氏名を明らかにしている組合員の件についてのみ団体交渉に応ずるといった傾向の交渉態度に終始しました。これらは大学側が論戦で追いつめられた結果によるものと考えられました。

10月11日

 東北非正規教職員組合は全国大学高専教職員組合(全大協)や首都圏大学非常勤講師組合とともに参議院議員会館で緊急集会を開催。吉良よし子参議院議員(共産党)を窓口に準備を進め、民進、共産、社民、沖縄の風の各党・会派の議員や議員秘書が参加しました。

10月18日

 東北大学は東北大学職員組合に対し、人事方針の「見直し」(再検討)をする旨表明しました。

11月17日

 10月11日の緊急集会にも参加した福島みずほ議員(社民党)は参議院厚生労働委員会での質問で、大学などの実態を特に重視して以下のように追究し、政府から回答を引き出しました。(添付資料3~4枚目)

(前略)
福島議員 「五年たつと無期になるということで、様々な大学や様々な研究機関、様々なところで五年以内に雇い止めをするということが今本当に広がって、その声が具体的にたくさん寄せられています。
 例えば、次のようなケースは国としてどのような指導、対策をして有期労働者の雇用の安全を図るつもりなのか。
一、五年を超える手前で雇い止めをする場合。
二、五年を超える前に労働条件を下げて更新する旨を使用者が申し込んだ場合。
三、五年を超える前に更新しない旨を一方的に使用者が通告する場合。
四、五年を超える前に不更新とする旨の合意書を締結した場合。というか、よくあるのは、五年を超えないように、不更新条項をその前の更新のときに入れてサインをさせる場合というのはよくあります。
五、契約当初から更新期間、更新回数の上限を五年までと設定する場合
など、いかがでしょうか。」

山越敬一政府参考人 「今御指摘をいただいた五つのケースでございますけれども、これにつきましては、厚生労働省といたしまして、無期転換を避けることを目的として無期転換申込権が発生する前に雇い止めをすることは労働契約法の趣旨に照らして望ましいとは言えないというふうに考えているところでございます。
(中略)無期転換によって雇用の安定がもたらす働く方の意欲とか能力の向上、あるいは企業活動に必要な人材の確保、そういったことに寄与するという、そういったメリットがあるわけでございます(後略)。」

福島議員 「2012年7月31日のこの厚生労働委員会において、西村智奈美副大臣、当時は、「法案が成立した際には、不更新条項を入れさえすれば雇い止め法理の適用が排除されるといった誤解を招くことがないように、従来の判例法理が変更されるものではないということを、(中略)明確に周知したい(中略)」と答弁しております。」
(中略)
「でも、それはなかなか守られていないんですね。(中略)現場では、やはり更新しない、五年前に何とか雇い止めをしてしまうというものが横行している(後略)。」

山越参考人 「(前略)無期転換ルールを免れる目的で雇い止めをしているような事案を把握した場合には、都道府県労働局におきましてしっかりと啓発指導をしていきたいと思います。」

福島議員 「そうしますと、こういう問題を抱えた、問題ではないかと思った労働者は、労働局にというか、各地の労働基準監督暑、様々なところに行けばいいということですか。」

山越参考人 「各地の労働局で対応させていただきたいというふうに思います。」

11月30日

 河野太郎衆議院議員(自民党)は自身のホームページで、厚生労働省と文部科学省が共同して、各大学に対し、無期転換ルールへの対応について通知することになった旨を紹介しています。

12月9日

 文部科学省は各国立大学法人に対し、無期転換ルールへの「対応方針の検討が遅れている」場合は、「平成29年4月の5年目の契約更新時に各労働者に明示できるよう、早急に無期転換ルールへの対応方針を御検討いただきますよう」に求めました。あわせて各大学の「無期転換ルールへの対応状況について把握させていただきたく」と、12月15日15時を期限に調査票の提出を求めました。(添付資料5~6枚目)
 これらは、文科省が12日9日、大臣官房人事課計画調整班の名で各国立大学法人にあてて発した「貴学における無期転換ルールへの対応の検討に関する再周知のお願い及び無期転換ルールへの対応状況に関する調査について(依頼)」と題した文書で示されているものです。
 9月28日の厚労省通知が「把握した場合は」としているのに対し、文科省は大学などを特別に重視してより積極的に実態把握しようとしており、労働組合などの運動や福島議員の質問など国会の動きが影響していることが考えられます。

 文科省が調査票の提出期限とした12月15日は、東北大学職員組合と東北大学との団体交渉が午前中に行われた日でもあります。

 さらに文科省は12月9日の上記文書で各大学に対し、

◆無期転換を避けることを目的として無期転換申込権が発生する前に雇い止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいとは言えない。
◆無期転換ルールを免れる目的で雇い止めをしているような事案を把握した場合は、都道府県労働局においてしっかりと啓発指導に取り組む。

とした厚生労働省の国会答弁をわざわざ引用し、

◆通算5年到来前の雇い止めについては、個々の事案において、その必要性等について、各国立大学法人に説明責任が生じてくる。

などとも指摘し、改めて無期転換直前の雇い止めを戒めました。

 また文科省の12月9日の上記文書では、自民党の行政改革推進本部(本部長・河野太郎衆議院議員)が「無期転換ルールへの対応については平成29年4月の5年目の契約更新に際して重要な要素であることを踏まえ、早急に、大学が各労働者に、その方針を示すべき」と述べていることも引用されています。東北非正規教職員組合は首都圏大学非常勤講師組合とともに、河野議員が自身のホームページなどで大学有期教職員の更新上限、雇い止め問題を重視していることに注目し、ブログ、フェイスブックで紹介するとともに、全国の有識者、弁護士などに対し、河野議員に意見を集中するよう呼びかけてきました。

 以上のことから、東北大学をはじめとする各大学は、有期教職員の5年の更新上限、大量雇い止め問題に関し、与野党双方から厳しい目で見られており、政府からは「年度内」の解決を催促される形になっていると言えます。

12月21日

 文科省は再度各大学に、大臣官房人事課計画調整班の名で文書連絡し、上記調査票提出への謝意と共に、「未だ対応方針が決まっていない大学につきましては今年度中に無期転換ルールへの対応方針を決定し、平成29年4月の5年目の契約更新の際には、各労働者へ対応方針を明示する必要がある」、「雇い止めについては、個々の事案において、その必要性等について、各国立大学法人に説明責任が生じてくる」など、繰り返し伝えるという念の入り様です。(添付資料7枚目)

 同じ日、東北非正規教職員組合は首都圏大学非常勤講師組合とともに、東北大学との3回目の団体交渉に臨み、労働委員会申し立て等の行為をも辞さない強い姿勢を示しつつ、当面申し立て等を回避し引き続き話し合いにより解決を目指すための条件として、東北大学が就業規則に定めている5年の雇用更新上限の初年度不適用などを提示しました。

 以上の厚労省、文科省、各党議員に関する情報は田村智子参議院議員の事務所から、首都圏大学非常勤講師組合を通じてもたらされました。

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by tohokuhiseiki | 2017-01-08 12:06 | 東北大学 | Comments(0)

改めて、全国の有識者・弁護士の皆さんのご賛同表明をお願いします!
ご賛同くださる方は東北非正規教職員組合までご連絡ください。

(アピール文はこの記事の最下部に表示)

※10月11日の第6次集約公表以降、東北大学の人事方針「見直し」表明(10月18日)を受けて静観する動きも見られました。
 しかし2016年内に「見直し」結果が示されることはなく、東北大学職員組合も大学側の態度を「不当かつ不誠実」「密室内で方針を策定しようとしている」(12月26日「声明」より)と厳しく批判しています。
 これ以降ふたたび、標記アピール賛同者が増え始め、賛同者拡大に協力する有識者・弁護士が、宮城県内でも、全国でも増えています。
 私たちもこれまで以上に、賛同者の拡大に力を尽くします。


(1月6日13:00現在、第七次集約分、以下192氏 敬称略 50音順 ☆は呼びかけ人)

 相田利雄 法政大学名誉教授
 青山愛香(獨協大学外国語学部准教授)
 赤塚朋子(宇都宮大学)
 赤堀正成(労働問題研究者)
 浅倉むつ子(早稲田大学法学学術院教授)
 浅野富美枝(宮城学院女子大学特任教授)
 芦谷竜矢(山形大学教授)
 姉歯暁(駒澤大学教授)
 荒井智行(東京福祉大学特任講師)
 荒井竜一(東京芸術大学教職員組合書記長)
 荒川隆(高度情報科学技術研究機構主任研究員)
 新谷眞人(日本大学法学部教授)
 新屋敷健(関西圏大学非常勤講師組合委員長・映画研究)
 有永明人(山形大学名誉教授)
 粟野宏(日本科学者会議常任幹事・山形支部事務局長)
 飯田清志(仙台高専総合科学系教授)
 飯田幸光(弁護士・東京弁護士会所属)
 五十嵐仁(法政大学名誉教授)
 池田道正(山形大学名誉教授)
 生駒巌(弁護士)
 石井まこと(大分大学経済学部教授)
 石飛猛(美作大学生活科学部教授)
 石原俊時(東京大学教員)
 和泉貴士(弁護士・八王子合同法律事務所)
 磯野博(日本医療総合研究所協力研究員)
 池内了(名古屋大学名誉教授)
 伊藤大一(大阪経済学経済学部准教授)
☆伊藤博義(宮城教育大学名誉教授)
 稲葉正美(特定社会保険労務士・新潟県社会保険労務士会所属)
 井上耕史(弁護士・民主法律協会事務局長)
 井口克郎(神戸大学准教授)
 岩佐卓也(神戸大学准教授)
 上田絵理(弁護士)
 上西充子(法政大学キャリアデザイン学部教授)
 上野千鶴子(東京大学名誉教授)
 宇佐美公生(岩手大学教授)
 碓井敏正(京都橘大学名誉教授・大学ユニオン副委員長)
 埋橋孝文(同志社大学社会学部教授)
 内田一秀(札幌大学教員)
 江本純子(県立広島大学保健福祉学部教員)
 大賀浩一(弁護士)
 大沢真知子(日本女子大学教授)
 大﨑潤一(弁護士)
 大重光太郎(獨協大学外国語学部教授)
 大杉由香(大東文化大学教授)
 太田直道(宮城教育大学名誉教授)
 大竹寿幸(弁護士・東京法律事務所)
 大西広(慶應義塾大学教授)
 大野英士(早稲田ユニオン代表・フランス文学)
☆大村泉(東北大学名誉教授)
 大屋定晴(北海学園大学教授)
 大和田敢太(滋賀大学名誉教授)
 小笠原義秀(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)
 岡田元浩(甲南大学教員)
 岡眞人(横浜市立大学名誉教授)
 岡本祥浩(中京大学総合政策学部教授)
 岡山茂(早稲田大学政治経済学術院教授)
 小川栄二(立命館大学産業社会学部教授)
 荻原克男(北海学園大学教授)
 奥貫妃文(相模女子大学教員)
 小澤裕香(金沢大学経済学経営学系)
 小野塚知二(東京大学教員)
 垣内国光(明星大学教授)
 梶原昌五(岩手大学准教授)
 加藤多恵子(関西単一労働組合大阪大学分会分会長)
 加藤丈晴(弁護士)
 加藤哲郎(早稲田大学大学院客員教授・一橋大学名誉教授)
 神沼公三郎(北海道大学名誉教授)
 上掛利博(京都府立大学公共政策学部教授)
 亀田成春(弁護士)
 亀山純生(東京農工大学名誉教授)
 狩野節子(弁護士)
 川村雅則(北海学園大学教授)
 菊地夏野(名古屋市立大学教員)
 菊地洋(岩手大学教育学部准教授)
 北明美(福井県立大学教授)
 北村洋基(慶應義塾大学名誉教授・元福島大学教授)
 京谷栄二(長野大学社会福祉学部教授)
 久保木亮介(弁護士・東京自治労連弁護団事務局長)
 栗原康(東北芸術工科大学非常勤講師)
 呉学殊(労働政策研究・研修機構主任研究員)
 伍賀一道(金沢大学名誉教授)
 小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 光本滋(北海道大学准教授)
 小森貞男(岩手大学教授)
 小山良太(福島大学教授)
 今野順夫(福島大学名誉教授)
 斉藤悦則(元鹿児島県立短大教授)
 斉藤吉広(稚内北星学園大学教授)
 齋藤耕(弁護士)
 酒井健雄(弁護士)
 佐々木良博(弁護士)
 佐藤飛鳥(東北工業大学准教授・同大学教職員組合執行委員長)
 佐藤卓利(立命館大学教授)
 佐藤眞(岩手大学准教授)
 佐藤由紀男(岩手大学教授)
 佐藤由紀子(弁護士)
 澤田ゆかり(東京外国語大学総合国際学研究院)
 重松公司(岩手大学教授)
 重本直利(龍谷大学教授)
 志田なや子(弁護士・まちださがみ総合法律事務所)
 芝田英昭(立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科教授)
 島袋隆志(沖縄大学准教授)
 島崎隆(一橋大学名誉教授)
 白井聡(京都精華大学専任講師)
 白水浩信(北海道大学准教授)
 新城知子(大学等非常勤講師ユニオン沖縄委員長・英語教育学)
 新宅正雄(弁護士)
 神保大地(弁護士)
 菅本晶夫(お茶の水女子大学名誉教授)
 菅野文夫(岩手大学教授)
 菅原真(南山大学教授)
 鈴木信行(静岡大学教授)
 須藤正樹(弁護士・昭和43年東北大法卒)
 鷲見賢一郎(弁護士・東北大学OB)
 青龍美和子(弁護士・メトロコマース事件弁護団員)
 世取山洋介(新潟大学准教授)
☆高木紘一(山形大学名誉教授)
 髙崎暢(弁護士) 
 高橋孝悦(山形大学教授)
 高橋まゆこ(弁護士)
 高橋祐吉(専修大学教員)
 高橋禮二郎(元東北大学教授)
 高橋若木(大正大学任期制専任講師)
 武井隆明(岩手大学教授)
 竹内平(弁護士・名古屋南部法律事務所)
 竹信三恵子(和光大学教授・ジャーナリスト)
 田中綾(北海学園大学教授)
 田沼朗(身延山大学教授)
 多羅尾光徳(東京農工大学農学部教員)
 辻智子(北海道大学准教授)
 土屋直人(岩手大学准教授)
 土谷信高(岩手大学教授)
 鶴見聡志(弁護士)
 出口善隆(岩手大学准教授)
 戸田清(長崎大学教員)
 戸田聡(北海道大学准教授)
 戸室健作(山形大学准教授)
 鳥飼康二(弁護士)
 鳥山淳(沖縄国際大学教授)
 長杉直人(東北非正規教職員組合執行委員長)
☆中村和雄(弁護士・東北大学OB)
 中川勝之(弁護士・東京法律事務所)
 長堀祐造(慶應義塾大学教授)
 行方久夫(文教大学経営学部教授・元山形大学教授)
 成定洋子(沖縄大学教員)
 西尾弘美(弁護士)
 西谷敏(大阪市立大学名誉教授)
 仁科辰夫(山形大学大学院理工学研究科教授)
 野村正實(国士舘大学教授・東北大学名誉教授)
 橋本直樹(鹿児島大学教授)
 長谷川悠美(弁護士・JALマタハラ事件弁護団員)
 畑地雅之(弁護士)
 林治(弁護士)
 平井敏幸(北海学園大学非常勤講師)
 平澤卓人(弁護士)
 平山貴司(岩手大学講師)
 藤田稔(山形大学教授)
 逸見龍生(新潟大学教授)
 朴木佳緒留(神戸大学名誉教授)
 本田宏(北海学園大学教授)
 松尾邦之(香川大学教授)
 松丸和夫(中央大学経済学部教授)
 松村比奈子(首都圏大学非常勤講師組合・憲法学)
 松本恵美子(弁護士)
 松本邦彦(山形大学人文学部教員)
 マニュエル・ヤン(早稲田大学教員)
 間宮啓壬(身延山大学教授)
 三浦佑哉(弁護士・代々木総合法律事務所)
 水谷英夫(弁護士)
 水谷陽子(弁護士・代々木総合法律事務所)
 水野邦彦(北海学園大学教授)
 宮入隆(北海学園大学)
 麥倉哲(岩手大学教授)
 村上祐(岩手大学名誉教授)
 村田浩治(非正規労働者の権利実現全国会議事務局長)
 安原陽平(沖縄国際大学講師)
 山口博教(北星学園大学教員)
 山下孝明(福島大学講師)
 山田いずみ(弁護士)
 山田忠行(弁護士・東北大学OB)
 山本いづみ(大学教員)
 山本完自(弁護士)
 横地明美(東北大法学部出身・日本労働弁護団所属)
 吉田万三(元足立区長)
 萬井隆令(龍谷大学名誉教授)
☆脇田滋(龍谷大学法学部教授)
 脇山拓(弁護士)
 和田肇(名古屋大学教授)
 渡辺修身(山形大学地域教育文化学部准教授)
 渡辺達生(弁護士)
 渡辺照子(弁護士)

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〈アピール文〉
 今年4月、東北大学では、非正規教職員のうち3200人以上に対して、2018年春から順次雇止めにすることが通告され、職場には不安が広まっています。
 2012年の労働契約法改正により、2013年4月1日以降の雇用期間が通算で5年を超える有期雇用労働者は、2018年4月1日以降、本人の申し込みによって無期雇用に転換できるようになりました。労契法の趣旨は「雇用の安定」であり、当時の小宮山厚労相は「今回の無期転換ルールの趣旨からしても、5年のところで雇い止めが起きてしまうと、この狙いとは全く違う」(2012年7月25日衆院厚労委)と答弁しています。東北大の雇い止め通告は、まさに改正法の趣旨と「全く違う」行為です。
 東北大の非正規教職員は、以前は3年の雇用上限が原則でしたが、例外も多く、上限は形骸化していました。しかし、大学は、一方的に就業規則を変更し、5年上限による一律の雇止めを通告してきました。しかも、就業規則は2014年4月1日施行であるのに、5年上限は2013年4月1日に遡って起算するとしています。この就業規則の変更には、パート労働法第7条にしたがって、短時間労働者の過半数代表の意見を聴く努力義務もあります。大学は1年任期の過半数代表者を2013年3月に選出したとしていますが、当時は雇用上限の変更問題は明らかではなく、この代表選出に非正規教職員の意見は反映されていません。
 東北大の財政事情は、無期転換の大量阻止を正当化するようなものではありません。無期転換後も労働条件は従前のままでよいので、追加の財源は不要です。
 大学は、例外として、正規職員と「同等、あるいは同等以上の成果を出すと見込まれる者」を部局が「無期転換候補者」に推薦できるとしています。しかし、法定の無期転換には「推薦」も「評価」も「選考」も不要です。不当な条件をつけるのは違法です。
 東北大学の公式HPは「被災地域の中心にある総合大学として、復興に全力を傾けていく歴史的使命があります」としますが、雇止め通告は雇用不安を招き、復興を妨げています。
 東北大学は、国大協の会長を出している代表的な大学でもあり、東北地方だけでなく、全国に大きな影響を与えます。私たちは、東北大学が労働契約法の趣旨を尊重し、3200人に対する雇い止め通告を撤回し、希望者全員に無期転換を認めるように求めます。

by tohokuhiseiki | 2017-01-06 13:16 | 東北大学 | Comments(2)

団体交渉で「5年の雇用更新上限初年度不適用」(※)の決断を求める
「検討する」と東北大学

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(※解説:「5年の雇用更新上限」は東北大学の准職員および時間雇用職員就業規則に定められています。これが適用されれば職員は5年で雇い止めされてしまい、本来「5年を超えて」雇用されれば得られるはずの労働契約法第18条による法的無期転換申込権が得られなくなります。職員が最初にこの規定を適用される「初年度」は2017年度(2013年4月1日を起算日とし2018年3月31日に雇用が通算5年に達する職員が対象)です。(※)の用語はこれらの職員に「5年の雇用更新上限」を適用しないことを指しています。それ以降雇用が通算5年に達する職員については引き続き話し合うことが前提です。東北非正規教職員組合や首都圏大学非常勤講師組合との要求に応え、既にいくつかの大学がこの「5年の更新上限初
年度不適用」を検討する旨、表明しています。)

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 東北非正規教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合(以下「両組合」)は12月21日、東北大学と団体交渉を行いました。
 両組合はこれまで、東北大学が東北大学職員組合とは締結している協定を両組合とは締結しない、などの組合間差別を行ったうえで、これを「規模の違い」によるものと発言して正当化したり、事務室内への穏当で節度ある立ち入りやビラ配布等を禁じたことなどが不当労働行為に当たるものとして是正を求めていましたが、大学側はこれに応じようとはしませんでした。
 上記の件で両組合はいつでも労働委員会への申し立てができるものでしたが、准職員および時間雇用職員の就業規則に定められた5年の雇用更新上限の問題について、これを含む人事方針を大学側が「見直す」と表明するなど解決の可能性が見られたことから、上記の労働委員会申し立てをこれまで保留し、話し合いによる解決を探求してきました。しかしながら、大学側が年内に人事方針の再検討結果を示さず、次年度の労働条件通知書兼同意書など(以下「契約書類」)に雇用更新上限などが書き込まれて職員一人一人が同意を求められかねないという重大な現局面にあっては、組合活動が制限されている現状をこれ以上看過できないことを説明し、両組合は改めて申し立てその他の行為を行う意思を示しまし
た。
 そのうえで両組合は「5年の雇用更新上限初年度不適用」を含むいくつかの事項を、労働委員会申し立て等の行為を引き続き回避し、最終解決に向けて引き続き話し合いを継続する条件として提示し、1月19日を期限に回答するよう大学側に要求しました。両組合は12月28日、この労働委員会申立回避条件を示した書面を改めて大学側に提示しました。そのうち「5年の雇用更新上限初年度不適用」に関する文言は以下のとおりです。

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 「准職員就業規則第6条第3項および時間雇用職員就業規則第6条第3項に定める雇用の5年上限規定を、2018年3月31日をもって雇用が通算5年に達する職員には適用しない旨を確約すること。または、これらの規定に云う5年の起算日を2014年4月1日とする旨を確約すること。」
by tohokuhiseiki | 2017-01-03 09:10 | 東北大学 | Comments(0)

東北大学有期教職員のお茶会を今週も実施します。
チラシをご参照下さい。

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by tohokuhiseiki | 2016-11-28 14:59 | 東北大学 | Comments(0)

希望する人全員の無期転換を求めて
東北大学片平キャンパス北門で、11月15日ひる、東北大学職員組合や宮城県労連などによる集会、宣伝が行われました。
東北非正規教職員組合からも応援参加しました。

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by tohokuhiseiki | 2016-11-16 18:11 | 東北大学 | Comments(0)

東北大学「雇い止め」見直しの表明をふまえて私たちは11月14日、以下の内容を東北大学に申し入れました。(1)労働契約法第18条などの趣旨を尊重し、有期労働契約の濫用を行わず、雇用の安定を図ることを、直ちに宣言すること。 (2)5年の更新上限を定める就業規則条項(准職員就業規則第6条第3項、時間雇用職員就業規則第6条第3項)の無効を確認し、宣言すること。(3)上記(2)の就業規則条項を削除することとし、速やかにその手続に入ること。 (4)上記(2)~(3)を直ちには行えない場合、少なくとも当面、2018年3月31日をもって雇用が通算5年に達する准職員および時間雇用職員については、上記(2)の就業規則条項を適用しないこと、または同条項にいう「原則として5年」の例外として扱うこととし、同条項の更新上限を理由とする雇い止めはしないことを、直ちに確認し、宣言すること。 (5)上記(2)~(3)を直ちには行えない場合、少なくとも当面、 2018年3月31日および同日以降の日に雇用が通算5年に達する准職員および時間雇用職員の雇用上限問題等については、引き続き団体交渉を継続することを確認すること。以上(1)~(5)の各項目すべてについて、本年11月28日までに、書面にて回答を頂きますよう、要求いたします。[備考]上記の「新方針」について私たちと団体交渉を行わないのは許されないことを、つぎの引用とともに、念のために確認しておきます。 団体交渉権の侵害や組合間の差別的取扱を行わず、誠実交渉義務を尽くされますよう、要求いたします。「団体交渉は、従来、使用者が事実上一方的に行ってきた労働条件の決定を、労使双方による対等決定へと移行させるものである。したがって組合が結成されているのに、団体交渉を行わないで使用者が労働条件を一方的に決定・変更したとすれば、組合の存在を無視したことになり、団体交渉権の侵害となる。また使用者は、組合から団交の申し入れがなくても、現状を変更しようとする場合には自ら進んで団体交渉を求めなければならない。」 外尾健一『労働法入門』第7版219-220頁「 企業内に複数組合が併存する場合のそれら組合との団体交渉については、1985年の日産自動車最高裁判決〔最三小判1985.4.23〕が、複数組合併存下にあっては、各組合はいずれの組合とも誠実に交渉を行うことを義務づけられており、各組合の性格、傾向や従来の運動路線のいかんによって差別的取扱いをすることは許されないと判示している。」 「…、①使用者は、併存する労働組合に共通する労働条件等の問題につき、一定の提案を掲げて団体交渉を行おうとする場合には、特段の合理的理由がない限り、各労働組合に対して、ほぼ同時期に同内容の提案を行うとともに、ほぼ同時期に並行して団体交渉を行う必要がある。②使用者は、併存する組合との団体交渉の展開において、それぞれの組合に対し誠実交渉義務を尽くすべきであるから、少数組合との団体交渉においても、自己の主張につき相手方が理解し納得することをめざして、誠意をもって団体交渉にあたることが必要である。」 菅野和夫『労働法』第11版857-858頁
by tohokuhiseiki | 2016-11-16 18:07 | 東北大学 | Comments(0)

【拡散希望】東北大学職員組合「無期転換」問題ニュース
いま、声をあげよう!希望する人全員を無期雇用に!(11月11日)
#雇い止め見直し
http://www.tohokudai-kumiai.org/docs16/ns161114.html


by tohokuhiseiki | 2016-11-11 18:42 | 東北大学 | Comments(0)