【拡散希望】(詳報2/2)市民シンポジウム「東北大学の3000名を超える非正規職員の雇止めを考える」

(詳報 続き)

4. だから違法、だから無効、5年雇い止め

東北大学は、2014年に就業規則での更新上限を5年に変更した際、「3年を5年に延ばしただけ」で「不利益変更ではない」と言いつつ、労働契約法第18条の無期転換ルールへの対応方針は明らかにしませんでした。
3年上限が導入されたのは2004年でしたが、実際には、それ以降、3年を迎えた人のうち、じつに75%が、3年を超えて雇用更新されていました。
ところが、昨年2016年の1月になって、東北大学は「5年上限は厳格に運用する」と言い出して、大量の有期教職員が雇い止めされる危険を明らかにしたのです。しかも、就業規則の変更は2014年だったのに、5年上限の起算点は2013年に遡らせたため、2018年から2020年にかけて3000人を超える「大量雇い止め」が危惧される事態となったのです。
「形骸化して無効となっていた3年上限」に、「厳格な5年上限」を導入する、しかも起算点を遡って2018年から雇い止めを強行する。これは明白に不利益変更をしようということであり、しかも労働契約法の趣旨にも手続的正義にも反する不合理な変更そのものですから、違法だし無効だというべきものです。
ところがさらに、そもそも「厳格な5年上限」は無理な話であって、実際には「総長裁量」で「あれも例外、これも例外」とされてきたことが、組合とのこの間の団体交渉などで明らかになってきました。

つまり、3年上限は形骸化で「すでに無効」、5年上限の導入も「当初から違法で無効」、そうでなくても総長裁量による例外だらけで「すでに無効」と言うべきで、ましてや、今さら「5年で雇い止めを強行」しようというのは、何重にも違法で無効だと言わざるをえません。
この春には労働条件通知書に同意のサインを求められた教職員が大勢いますが、それは「サインしなければ直ちに首をきられる」という窮状に迫られたものです。こういう状況下での雇い止め予告部分への「同意」は、公序良俗に反して無効というべきです。


5. 無期転換は「限定正職員」制度では代替不能

東北大学が提案している「限定正職員」制度は、法定の無期転換と併存はできますが、代替とはなりません。

フロアから発言した岩崎さん(全大教書記次長)によると、名古屋大学では、「5年目に選抜試験を実施し、合格者を無期雇用の新たな職に採用」という案が今年2月に提示されたものの、組合の批判などを受け、5月には「原則として無期雇用に転換」という案に改められたとのこと。また、5年上限を部分的にせよ4月から廃止したという国立大学も出てきているようです。


6. 正規も非正規も手を取り合って組合に結集を!

パネリストの黒澤さん(北海道労連議長)が「有期雇用の方は会場に何人いらっしゃいますか?」と訊ねると、約20人が挙手。これに「いつもの学習会などよりも多いですね!」と感嘆した黒澤さんは、北海道での経験を紹介しながら、「ひどい労働条件でも契約書にハンコを押さざるをえない非正規労働者は、今や日本の労働者の半分だと考えてよい」と指摘。「一緒にたたかおう、首は切らせない」と非正規労働者に呼びかけられる組合になること、それを通じて労働組合運動を再生することが求められている、と語りました。

パネリストの高橋さん(東北大学有期職員)は「(東北大学での希望者全員の無期転換という)大きな山に向かいます」「もっと声を集めて、大学を目覚めさせたい」と応じました。

パネリストの飛田さん(東北大職組委員長)が「私たちのやっていることは間違っていない」と確信したと述べると、会場は「そうだ!」「がんばろう!」と満場の拍手で応えました。

最後に、進行役の遠藤さん(宮城県労働組合総連合会)が「この無期転換のたたかいを全国に拡げていきたい」と締めくくり、大きな拍手に包まれました。


シンポジウムは宮城県労働組合総連合会[宮城県労連]が主催。東北非正規教職員組合は、宮城県労連、東北大学職員組合、首都圏大学非常勤講師組合との共同声明(2016.9.21)の趣旨に基づいて、シンポの宣伝や参加の呼びかけを行ってきました。
(なお、詳報中の発言の引用は主旨の編集要約です。)

(詳報おわり)
by tohokuhiseiki | 2017-06-12 18:43 | 東北大学 | Comments(0)